「自分は大丈夫」の思い込みを変えた医師の一言。悩む前に、まずは医師へ相談すべき理由

通院 / 40代 / 男性 / 本人

仕事で忙しい毎日を送るAさん(41歳/男性)。30代の頃、試験勉強のプレッシャーや日々のストレスから「眠るための飲酒(寝酒)」がいつしか習慣化していきました。健康診断の結果を見て受診を決意し、現在は医師と相談しながら、自分に合ったペースでお酒と付き合っています。当時は「定期的に運動しているから、自分は大丈夫だろう」と、なんとなく思っていたというAさん。しかし、受診先の医師からかけられた言葉をきっかけに、意識は大きく変わりました。お酒に頼る生活からどのように変化していったのか。Aさんのお酒との向き合い方をご紹介します。

ストレスと不眠から始まった「寝酒」の習慣

――まず、Aさんがお酒を日常的に飲まれるようになったきっかけから教えていただけますか?

最初にお酒を飲み始めたのは20代前半、学生のときでした。当時は毎日飲むわけではなく、アルバイトをしていた居酒屋の帰りに、たまに飲む程度だったんです。

――そこからお酒の量が増えていったのは、いつ頃からだったのでしょうか?

30代に入ってからですね。当時、試験勉強を続けていて、夜遅くまで勉強した後に、眠るためにお酒を飲むようになり、それがストレス発散も兼ねて習慣化してしまったんです。だいたい毎日、ビール(500ml缶)を3〜4本飲むことが習慣になっていました。試験が終わってからも、習慣は変わりませんでした。

だるさと疲れやすさ、そして健診結果が受診のきっかけに

――毎日それだけの量を飲まれるなかで、ご自身で何か問題を感じることはありましたか?

自分のなかでは「そこまで大きな問題ではない」と思っていたんです。仕事で寝坊をすることもありませんでしたから。ただ、体のだるさや疲れやすさは感じていて、眠り自体も浅くなっているな、これはお酒のせいなんだろうなとは薄々感じていました。

――健康診断の数値などにも影響が出ていたのでしょうか?

はい。毎年の健康診断では肝臓の数値が良くなくて、再検査の対象になっていました。γ-GTPが300くらいだったと思います。数値的には、基準値を大きく超えていたと思います。さらに、以前は問題なかった血圧も高くなってしまっていて、そろそろまずいのではないかと気になり始め、専門医に診てもらおうと思い、医師へ相談しました。

「自分はまだ大丈夫」その思いを変えた、医師からの言葉

――ご自身でお酒の量を減らそうと試みるのではなく、最初から専門の医療機関への受診を決められたのですね。

そうですね。自分一人でやめようとしても、結局またお酒を買って飲んでしまうだろうと思っていました。だからこそ「最初から病院を頼ろう、とりあえず話を聞きに行こう」という考えがあり、病院に行くことに関しては特に高いハードルを感じていませんでした。

――受診にあたって、特に印象に残っている出来事はありますか?

専門の医療機関に紹介状を書いてもらうため、近くの内科を受診して血液検査をしたのですが、そのときに先生から言われた言葉が今でも深く印象に残っています。先生から「このままだと、50代になった頃には内臓がボロボロになるよ」と真摯に指摘されました。

私はサッカーなど運動も定期的にしていたので「自分はまだ大丈夫」と思っていたのですが、「運動の後にお酒を飲むと、体は全く休まらない。それなら運動をしないほうがまだマシだ」とまで言われ、強い危機感を抱きました。

「やめたいけれど、きっかけがない」-環境を変えることから始まった

――専門の医療機関を受診されて、最初の治療はどのように進んでいきましたか?

初診の後、まずは睡眠をサポートするお薬(睡眠薬)を処方してもらいました。ただ、自宅にいるとどうしてもお酒を飲む習慣を断ち切るきっかけが掴みづらいと感じたんです。そこで先生に「やめたいけれどきっかけがないので」と相談したところ、体の状態や離脱症状のリスクも診ていただいたうえで、まずは短期間入院してお酒を抜いてみましょう、と提案してもらいました。

――入院治療はどのようなものだったのでしょうか?

バランスの良い食事を3食きちんと食べて、夜はお酒を飲まずにお薬を使って眠る、というリズムを体感するものでした。自分の状態に合わせて、病院という頼れる環境をうまくコントロールする手段として活用できたと思っています。

お酒に代わる「ジム」と「サッカー」の充実した時間

――病院受診後の日常生活で、お酒を控えるためにどのような工夫をされたのでしょうか?

主治医の先生から「完全にやめるのが難しいなら、お酒に代わるものを作ると良いですよ」とアドバイスをもらいました。それがきっかけで、週に2回ほどジムに通うようになりました。また、以前から所属している社会人サッカーの練習も週に2〜3回程度やっています。体を動かすことが元々好きだったので、お酒を飲んで過ごすよりも、体を動かしていたほうが充実した時間を過ごせるようになりました。

――「仕事の後にお酒を飲みたい!」といったような強い衝動が起きたときは、どのようにやり過ごしているのですか?

夏場などは特に、冷たいビールが飲みたくなる瞬間があります。そういうときは、とにかく「お酒のことについて考えない」ようにしています。ジムやサッカーなどの予定を入れて、家にいる時間を少なくするんです。また、以前のように「眠るため」にお酒を飲むことはやめました。

「朝の目覚めが変わった」減酒によって実感した、体と心の変化

――現在の飲酒の状況はどのようになっていますか?

専門医の先生とも相談し、現在はお酒を完全にやめているわけではなく、生活に合わせた「減酒」の状況を維持しています。自宅では飲まないようにしていますが、外出しているとき、月に数回は仕事関係の付き合いでお酒を飲む機会があります。そのときは、特に飲酒量は制限せずに飲んでいます。

――お酒の量を調整するようになり、生活や体調にはどのような変化がありましたか?

やはり「朝の目覚め」が変わったことが一番ですね。体のだるさや疲れやすさが違います。朝から体がスッキリしていると、仕事に対するやる気や集中力も上がっていると感じます。また、健康診断の数値(γ-GTP)も前より下がって改善しています。少し高めだった血圧も、徐々に下がり始めていて目に見えて効果が出ているので、「自分に良いことをしている」という実感があります。

――以前と比較して、心境の変化はありますか?

もし治療を始めていなければ、今でも毎日お酒に頼る生活を続けていたと思います。以前は良くないんだろうなとぼんやり思っていただけですが、専門の医療機関を受診したことで、お酒がどれほど体に影響を与えていたかが数値や体感で明確に分かり、お酒のリスクを正しく理解できました。「お酒がなくても、他のサポートを利用すれば安心してぐっすり眠れるんだ」と分かったことが、非常に大きかったです。10年後の健康な自分のために、今しっかりとお酒との付き合い方を見直すきっかけを作ることができて良かったと思っています。

一人で抱え込まず、医療機関に相談を

――最後に、お酒との付き合い方に悩みながらも、受診に踏み切れない方へメッセージをお願いします。

自分の力だけでお酒をやめようとしたり、問題を抱えたまま悩み続けたりする必要はありません。医療機関に相談することが、より良い方向へ進むための一歩につながるのではないでしょうか。私自身、まだお酒の悩みが「完全に解消した」とは思っていません。仕事の性質上、仕事が一番忙しい時期になれば、また強いストレスから飲みたくなってしまうかもしれないという不安もあります。それでも、「頼れる手段」を知っているからこそ、以前のようにお酒に頼ることなく、長期的に向き合っていこうと思っています。

 
  1. ※本記事は個人の体験談であり、治療の経過や効果、取り組みなどには個人差があります。
  2. ※記事内の医学的な内容については、監修医による確認を行っています。
  3. ※お酒との付き合い方や健康への影響にお悩みの方は、特定の症状だけで自己判断せず、必ず専門の医師による診察を受けてください。

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